まめものはてブ

三日坊主日記

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オタマトーンでベースの音を出す

ご無沙汰しております。まめもです。 今回はオタマトーンAdvent Calendar 8日の記事を書きます。 タイトルはなんでしたっけ、そうそう、「オタマトーンでベースにする」です。

さて、どうするかといいますと、単純です。シンセを通します。 ここで利用するのは、KORGの伝説のモノフォニックセミモジュラーシンセであるMS-20の小型版、MS-20 miniです。 MS-20はアナログシンセなのですが、他のセミモジュラーシンセにはない特徴があります。それはExternal Signal Processorがあることです。 これは、ギターなどをシンセに入力するために、音階をCV信号にしたりできる回路なのですが、これがオタマトーンにそのまま使えます。 条件としては、オタマトーンデラックスなどのライン出力のあるオタマトーンが必要となります。

MS-20miniの設定

写真のように、External Signal Processorオタマトーンを入力し、Band Pass Filterを通った信号をEXT SIGNAL INに入れます。BandPass Filterは全開(Low Cutを最小、High Cutを最大)にします。TRIG OUTをTRIG INにいれます。Signal LevelとThreshold Levelはオタマトーンの音量に合わせて調整し、音がでたときTRIGランプがつくぐらいにします。 VCO Mixerを全て0にして、HightPass FilterとLowPass Filter、LowPass FilterのCutoff Frequency ModurationのEG.2、Envelove Generator 2を写真のように設定します。 あとはLowPass FilterとEnvelove Generator2 をいい案配に調整することで、ベースっぽい音を作り出すことができます。 ESPは基本トリガー機能のみつかっているので、類似の機能があれば他のアナログシンセでもできるとおもいます。

MS-20miniとオタマトーンは非常に相性がいいです。ただ、ベースとして弾くとなると、正確に音程を押さえる必要があるので難易度は高めになります。

下のMP3はベン・E・キングの「Stand by Me」です。ベース、早速間違えてますが気にしないで下さい。メロディーも同じくMS-20miniを通しています。

https://media-momo.mame.moe/momo.mame.moe/media_attachments/files/111/538/532/851/846/986/original/995884a48fc1c2ca.mp3

SP-404MK2 Version3.0で追加されたワンショット・プレイバックとパッドミュート・モード

SP-404MK2がVersion3.0になったので、健忘録として久々にブログを更新してみます。

SP-404MK2がVersion3.0になってDAWMIDIの連携が強化されました。これでかなり私的には活用範囲が広がりそうな予感がしています。SP-404MK2でMIDI連携してサンプルを正確にループさせるには、いちどシーケンスを作る必要があります。そのままサンプルのループ再生だけだと微妙なずれでどんどんずれていくからです。そのため、TR-RECモードでシーケンスの最初にサンプルを配置したシーケンスを作る必要があります。

1barシーケンスの作成

1barシーケンスと新たに追加されたワンショット・プレイバックを使えば、比較的に簡単に行えます。ワンショット・プレイバックはサンプルの再生が終わるまでリトリガーが行われなくなるため、1barのシーケンスでも1bar以上の任意の長さのサンプルを再生でき、正確に頭からループすることができます。1barなのでプレビューもしやすくストレスが減るというメリットはけっこう大きいと思います。

  1. サンプル・モード(サンプル・モード/パターン・モードはPATTERN SELECTボタンで切り替えられる)でサンプルを再生し、VALUEノブを押しながらGATEをおす。これでそのサンプルはワンショット・プレイバックが有効になる。。これをマルチトラックの各サンプルごとに繰り返す。

  2. PATTERN SELECT(パターン・モード) → Shift+REC(TR-REC) → パッド(記録先選択) を押して、TR-RECモードを開始する。

  3. BPM:CTRL-1 BPMを設定する

  4. BAR:CTRL-2 を最小 にして 1barに設定する

  5. REC を押して開始する

  6. VELOCITY:CTRL-3 を最大 にしてPADモードにする

  7. SUB PAD を押しながらサンプルの入った パッド をおす

  8. パッド1 を押す。1bar以上のサンプルが正確にループされるはず

  9. あとはトラックの数だけ 6~8を繰り返す。

  10. 作業が終わったら EXIT で抜ける

パッド・ミュート

パフォーマンス時に特定のサンプルをミュートしながら曲の流れをつくりたいときがあります。以下の方法でパッド・ミュート・モードにすれば、パッドのミュートをしながらパフォーマンスができるので、いろいろシーケンスを作りまくる必要がなくなります。

  1. サンプル・モードにする

  2. SHIFT+REVERSE+REMAIN を押す

  3. パッドミュートモードになるので、任意のパッドを押すことでMUTE/UNMUTEが切り替えられる

  4. フィンガードラムやポン出しサンプルと併用する場合は SHIFT+REVERSE+パッド でのMUTE/UNMUTEを使うほうが便利な場合もあるかもしれない。

Version3.0強化機能の紹介動画

こちらの動画に、Version3.0のアップデート内容が紹介されています。てか、アップデートだいたい1年前なのね。しらんかった。


www.youtube.com

SP-404MK2 Version3.0で追加された機能をつかってDAWからインポートしたマルチトラックを快適に使う

SP-404MK2がVersion3.0になったので、健忘録として久々にブログを更新してみます。

SP-404MK2がVersion3.0になってDAWMIDIの連携が強化されました。これでかなり私的には活用範囲が広がりそうな予感がしています。SP-404MK2でMIDI連携してサンプルを正確にループさせるには、いちどシーケンスを作る必要があります。そのままサンプルのループ再生だけだと微妙なずれでどんどんずれていくからです。そのため、TR-RECモードでシーケンスの最初にサンプルを配置したシーケンスを作る必要があります。

1barシーケンスの作成

1barシーケンスと新たに追加されたワンショット・プレイバックを使えば、比較的に簡単に行えます。ワンショット・プレイバックはサンプルの再生が終わるまでリトリガーが行われなくなるため、1barのシーケンスでも1bar以上の任意の長さのサンプルを再生でき、正確に頭からループすることができます。1barなのでプレビューもしやすくストレスが減るというメリットはけっこう大きいと思います。

  1. サンプル・モードでサンプルを再生し、VALUEノブを押しながらGATEをおす。これでそのサンプルはワンショット・プレイバックが有効になる。(サンプル・モード/パターン・モードはPATTERN SELECTボタンで切り替えられる)

  2. PATTERN SELECT(パターン・モード) → Shift+REC(TR-REC) → パッド(記録先選択) を押して、TR-RECモードを開始する。

  3. BPM:CTRL-1 BPMを設定する

  4. BAR:CTRL-2 を最小 にして 1barに設定する

  5. REC を押して開始する

  6. VELOCITY:CTRL-3 を最大 にしてPADモードにする

  7. SUB PAD を押しながらサンプルの入った パッド をおす

  8. パッド1 を押す。1bar以上のサンプルが正確にループされるはず

  9. あとはトラックの数だけ 6,7を繰り返す。

  10. 作業が終わったら EXIT で抜ける

パッド・ミュート

パフォーマンス時に特定のサンプルをミュートしながら曲の流れをつくりたいときがあります。以下の方法でパッド・ミュート・モードにすれば、パッドのミュートをしながらパフォーマンスができるので、いろいろシーケンスを作りまくる必要がなくなります。

  1. サンプル・モードにする

  2. SHIFT+REVERSE+REMAIN を押す

  3. パッドミュートモードになるので、任意のパッドを押すことでMUTE/UNMUTEが切り替えられる

  4. フィンガードラムやポン出しサンプルと併用する場合はSHIFT+REVERSE+パッドでのMUTE/UNMUTEを使うほうが便利な場合もあるかもしれない。

74HC165 2連と 74HC595 の同時利用のテスト

昨日に引き続き74HC165の実験のつづきを行いました。

mamemomonga.hatenablog.com

やっぱ2連で使えることと、74HC595が同時に利用できるかどうかを確認したい。 2連目はキースイッチを4つつけ、74HC595として秋月電子の7セグメントドライバキットを使用してみました。

写真

回路図

*1 ~CEは74HC165以外からもSPI入力するときに使用する。これがHIGHのときはクロックを無視することができる。

*2 SR2は74HC595をさらに連結する場合に、2つ目のシリアル入力に接続する。

コードはこちら

74hc165 x2 と 74hc595 x1 のテスト

とくに結果がずれることなく受信できました。2個の74HC165を連結して16ビットのデータとして受信しています。アクティブローなので結果が反転しています。

これまで74HC595はよくつかってきましたが、パラレルの入力を受けるときはマイコンのピンに直接入力で間に合っていたので、74HC165をつかうことは少なかったです。多連での動作も確認できたので、これで入力も無限に増やせます。

74HC165は値段も比較的安いのでなかなかよいのですが、MCP23017(I2c), MCP23S17(SPI) というのもあり、ラズパイなどではこちらのほうが使いやすいかもしれません。これだと割込や内部プルアップもあり便利です。

74HC165をつかったDIPスイッチの状態読込(Arduino Nano Every)

以前から試そうと思っていて試していなかった74HC165を試してみました。74HC165はパラレル入力、シリアル出力のシフトレジスタで、ボタンやスイッチの状態の読込などによく使われます。シリアル入力、パラレル出力の74HC595と対をなす関係だと思います。こちらも74HC595と同じくいくつも連結して利用することができますが、今回は1つだけつかってみました。Arduino Nano Everyピンレイアウトはこちらを参照。

DIPスイッチはプルアップしてアクティブローとして使用しています。そのため74HC165から出力される結果は全ビット反転しています。

メーカによるピン名の違い

配線

Arduinoのコードはこちら

74HC165をつかったDIPスイッチの状態を読み込み

余談ですが、最近のArduinoのマニュアルは、MISOがCIPO、MOSIがCOPIに書き換えられているようです。

Volcaで電源を共有したときの悩みを解決したい

去年からずっとVolcaシリーズ向けのコンパクトサミングアンプ(ミキサ)を作っていましたが、電源を共有するとどうしてもノイズが発生するという問題に悩まされていました。Volca Bassの電源を共有すると、GNDを介してノイズが回り込むようなのです。電源のGNDと音声のGNDをつなげたり、GNDの接触が不完全だとノイズが大きくなります。どうもグランドループのようなものが発生してしまうようです。これがなかなかしつこくて、作成中のミキサと電源を共有しなくても、Volca同士を共有だけでも発生します。グランドがループ状になると高い確率で発生しますが、音声端子など以外(SYNC端子など)でGNDを接続すると、若干ノイズが減ります。

電源のGNDを介してノイズが流れてくるようなので、回避が非常に難しいです。アンプのほうは電源の+V側のノイズならばコンデンサーやレギュレータで抑え込むことができますが、結局大きなインダクタを+V側とGND側に入れ、かつ大容量のOS-CONをいれるなどでかなり改善はしたのですが、完璧といえる状態にはなりませんでした。結局完全にこの問題を回避するためには、Volca Bassの給電をアイソレーションして、GNDを共有しないことしかなさそうです。Volcaに給電するためにはそれなりの大きさのDCDCコンバータが必要になり、本体サイズも大きくなりコストもかさむため、ここまでやることは諦めることにしました。

電源分配機能はVolca Mixerなどにもあります。Volca Mixerはもっていませんが、ネットにある分解した基板画像などを見る限り、特にアイソレーションなく分配されているようです。Volca Mixerでもノイズが発生するという書き込みを見たことがあるので、これはなかなか回避するのが難しい問題のようです。

結局この問題を手っ取り早くなおす方法は、ノイズ源となっているVolca Bassのみ電源を分ける方法なのですが、なんだか勝負に負けた気分になるため非常に悔しいですし、乾電池が沢山必要になるわけです。どうにかして「完璧な」電源共有方法を確認したいと考えていました。

そこで、これを買ってきました。

VA-08 MK2

VITAL AUDIOのVA-08 MK2です。これはコンパクトエフェクター用のパワーサプライで、それぞれのポートがアイソレーションされているのがウリです。このポート数をすべてDCDCコンバータで作成すると非常に高価になるのですが、これは専用のトランスを搭載していて、1.5万円程度で購入することができます。エフェクター用電源としては評判もいいもののようです。

「オールアイソレーションならば、これがVolcaで使えばノイズ問題は解決するのでは?」

そう思ったわけです。電流も500mA程度あればVolcaくらいなら動かせそうですし。ちょうどエフェクター作りも始めましたし、コンパクトエフェクターもちょこちょこ買っていこうかとおもっていたので、まあ悪くない買い物かなというのもありました。

早速、Volca向けのケーブルを作成しました。

逆極性ケーブル

5521センターマイナスからEIAJ-3センタープラスに変換するケーブルです。コンパクトエフェクター群は5.5mm x 2.1mm センターマイナスが標準で、Volcaシリーズは EIAJ-3 極性統一 センタープラスが標準です。これを使えば動くはずです。

うごいた

Volca ModularとVolca Bassがいい感じに動作しました。とりあえず2台のVolcaにつなげてみましたが、いままで発生していたようなノイズはでないことが確認できました。おそらくミキサに給電してもノイズはでないだろうと考えていますが、もう少しケーブルを作成して、さらにつなげてもノイズがでないかおいおい検証していきたいと思います。

いまのところVolca関連の共有電源で、アイソレーションされているものは見当たりません。そもそも電源を分配するアダプタもVolca Mixer以外は、海外に少しあるくらいで、ほとんどありませんし、あってもあまり気軽に買える値段じゃないです。コンパクトエフェクター界隈は歴史も長くマーケットも大きいので、比較的安価で優秀なパワーサプライがありました。ちょっと工夫すればVolcaでも活用できるので、Volcaの電源で悩んでいる方がいたら試してみてはいかがでしょうか?

Arturia KeyStep Pro Clock Out → KORG Sync 安定化ケーブルの作成

ずっとブログ書くの忘れてました。さて、久々の更新です。

Arturia KeyStep Pro Clock Out → KORG Sync 安定化ケーブルを作成しました。KeyStep ProのClock Out信号をVolcaのSyncにいれると時々グリッチしてタイミングがずれて困っていました。パッと見大丈夫にみえるんですが、かなりの確率でグリッチします。その対策のために、対策用の専用のアダプタを作成しました。これをいれるとほぼグリッチが起こらなくなり、非常に安定するようになりました。

以前つくったアダプタ

回路はとてもシンプルで、以下のようになっています。

回路図

これをいれることによって「いい感じ」の波形にすることで、Volca側でもタイミングがずれてしまうことがほとんどなくなります。

KeyStep Pro側はSync Out設定を「1PP8」にするとKORGのSync信号と同じタイミングになります。(Volca工場出荷時の設定: 極性は「立ち上がり」/ ステップは「2ステップに1回」) 1PP8は恐らく「1 pulse per 8th note(八分音符)」のことだとおもうので、1小節に8回のパルスがでているとおもいます。なので「1PP8」を入力することで、Volca側の設定が「2ステップに1回」なら、1小節が16ステップのシーケンサ一回りで1小節になるようです。KeyStep Proのシーケンサも1小節16ステップなので、これでVolca側とピッタリとあいます。

KeyStep Proの日本語マニュアルには「KORG」モードがある、みたいなことが書いてありましたが、実機だとファームアップしてもありませんでした。(FIrmware 2.0.1)

今回使うパーツは以下の通りです。

パーツ

回路は入力のKeyStep側のプラグ側に埋め込んでしまいます。

KeyStep側

こんな感じで組み込みます。出力のVolca側は回路なしで配線します。

Volca側

入力、出力ともにTRSミニプラグをTSプラグとして使うために、Ring側をGNDに落としています。

完成

完成です。少し試しましたがいい感じに動作しました。

どのような波形になるかというと、以下のようになっています。オシロスコープには、負荷として並列に1KΩの抵抗をいれています。BPMは120にしており、4Hzでの出力になります。縦軸横軸はそれぞれ違うのでご注意ください。また、今回つくったケーブルはパッシブ式なので、接続先の機器の入力抵抗で波形はかわってしまうと思います。

Volca BassのSYNC信号の出力

KORG Sync

KeyStep ProのClock Out信号の出力

KeyStep

今回作成したケーブルの出力

今回のケーブル

KORGのSync信号は「立ち上がり」「立ち下がり」を切り替えることができます。なので信号が立ち下がりになっていれば正しく動作するとのことなので、KeyStep Proの信号でも正しく動作するはずです。動作はするんですが、時々なぜかコケるわけです。今回のケーブルではKORG Sync信号にならい、マイナス側に振れないようにし、立ち上がりを急峻に、立ち下がりをなだらかにするようにしています。KORGの信号ともKeyStepの信号ともどちらにも似ていないんですが、これで安定して動くようになりました。

ちなみにコネクタは1本ダイオードを逆さまにつけてしまい、失敗してしまいました。立体的に部品を配置しており簡単にははずせず、結局作り直しにしました。

失敗作

追記: teenage engeneeringのPO-133の場合、このケーブルを直接接続すると正しく動きません。しかしVolcaを経由するか、KeyStepProの信号を直接入力することで動作します。