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三日坊主日記

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Volcaで電源を共有したときの悩みを解決したい

去年からずっとVolcaシリーズ向けのコンパクトサミングアンプ(ミキサ)を作っていましたが、電源を共有するとどうしてもノイズが発生するという問題に悩まされていました。Volca Bassの電源を共有すると、GNDを介してノイズが回り込むようなのです。電源のGNDと音声のGNDをつなげたり、GNDの接触が不完全だとノイズが大きくなります。どうもグランドループのようなものが発生してしまうようです。これがなかなかしつこくて、作成中のミキサと電源を共有しなくても、Volca同士を共有だけでも発生します。グランドがループ状になると高い確率で発生しますが、音声端子など以外(SYNC端子など)でGNDを接続すると、若干ノイズが減ります。

電源のGNDを介してノイズが流れてくるようなので、回避が非常に難しいです。アンプのほうは電源の+V側のノイズならばコンデンサーやレギュレータで抑え込むことができますが、結局大きなインダクタを+V側とGND側に入れ、かつ大容量のOS-CONをいれるなどでかなり改善はしたのですが、完璧といえる状態にはなりませんでした。結局完全にこの問題を回避するためには、Volca Bassの給電をアイソレーションして、GNDを共有しないことしかなさそうです。Volcaに給電するためにはそれなりの大きさのDCDCコンバータが必要になり、本体サイズも大きくなりコストもかさむため、ここまでやることは諦めることにしました。

電源分配機能はVolca Mixerなどにもあります。Volca Mixerはもっていませんが、ネットにある分解した基板画像などを見る限り、特にアイソレーションなく分配されているようです。Volca Mixerでもノイズが発生するという書き込みを見たことがあるので、これはなかなか回避するのが難しい問題のようです。

結局この問題を手っ取り早くなおす方法は、ノイズ源となっているVolca Bassのみ電源を分ける方法なのですが、なんだか勝負に負けた気分になるため非常に悔しいですし、乾電池が沢山必要になるわけです。どうにかして「完璧な」電源共有方法を確認したいと考えていました。

そこで、これを買ってきました。

VA-08 MK2

VITAL AUDIOのVA-08 MK2です。これはコンパクトエフェクター用のパワーサプライで、それぞれのポートがアイソレーションされているのがウリです。このポート数をすべてDCDCコンバータで作成すると非常に高価になるのですが、これは専用のトランスを搭載していて、1.5万円程度で購入することができます。エフェクター用電源としては評判もいいもののようです。

「オールアイソレーションならば、これがVolcaで使えばノイズ問題は解決するのでは?」

そう思ったわけです。電流も500mA程度あればVolcaくらいなら動かせそうですし。ちょうどエフェクター作りも始めましたし、コンパクトエフェクターもちょこちょこ買っていこうかとおもっていたので、まあ悪くない買い物かなというのもありました。

早速、Volca向けのケーブルを作成しました。

逆極性ケーブル

5521センターマイナスからEIAJ-3センタープラスに変換するケーブルです。コンパクトエフェクター群は5.5mm x 2.1mm センターマイナスが標準で、Volcaシリーズは EIAJ-3 極性統一 センタープラスが標準です。これを使えば動くはずです。

うごいた

Volca ModularとVolca Bassがいい感じに動作しました。とりあえず2台のVolcaにつなげてみましたが、いままで発生していたようなノイズはでないことが確認できました。おそらくミキサに給電してもノイズはでないだろうと考えていますが、もう少しケーブルを作成して、さらにつなげてもノイズがでないかおいおい検証していきたいと思います。

いまのところVolca関連の共有電源で、アイソレーションされているものは見当たりません。そもそも電源を分配するアダプタもVolca Mixer以外は、海外に少しあるくらいで、ほとんどありませんし、あってもあまり気軽に買える値段じゃないです。コンパクトエフェクター界隈は歴史も長くマーケットも大きいので、比較的安価で優秀なパワーサプライがありました。ちょっと工夫すればVolcaでも活用できるので、Volcaの電源で悩んでいる方がいたら試してみてはいかがでしょうか?