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三日坊主日記

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ライブパフォーマンスをラインでスマホで録画するときにおすすめ behringer UCA202

ライン入力によるライブ録音など、iPhoneで動画を撮影時に高音質で撮りたい場合があるとおもいます。その場合は外付けのオーディオインターフェイスを使う必要があるのですが、実は罠があります。iOS対応のオーディオインターフェイスでも、実はアプリ側が対応していないとうまく使えないことが多いんです。たとえば、ZOOM U-44はiOSへの対応を謳ったとてもよいオーディオインターフェイスなのですが、残念ながらこれだと動画アプリではうまく録音できません。多くの動画アプリが2chを想定していて、マルチチャンネルのオーディオインターフェイスだとうまくいかないのです。

ずっとiOSへの入出力にはSteinberg UR22mk2をつかっていましたが、これはiPhoneだと外部電源が必要で、かつ結構大きい。そこで、安価でシンプルでそれなりに音のよい、iPhoneからのバスパワーで動作するライン入力のみのオーディオインターフェイスを探していました。そこで入手したのが behringer UCA202 です。古くからある格安のオーディオインターフェイスです。soundhouseで4480円。これに Linghtning -USBカメラアダプタ を付けることで、iPhoneからのバスパワー供給のオーディオインターフェイスになります。私の使っているLightning - USBカメラアダプタの純正品はクッソ高いのですが、安価な互換品はAmazonにたくさんあるかとおもいます。

behringer UCA202

外観はこんな感じで、本体はプラスチック。デザインは古臭く質感もチープです。まあ安いから仕方ないですね。「安っぽいんじゃない、安いんや。」値段が安くて音が良くて扱い安ければ良いんです。

内部の様子はこんな感じになっています。

内部の様子

V2902

裏面

Audio Codecにはcoolaudio V2902が使われています。初期のUCA202では Texas Instruments PCM2902E がつかわれていたみたいです。PCM2902E自体はまだ生産しているようですが、新規設計非推奨になっています。半導体メーカは廃盤にしたいICを値上げしたりするので、恐らく仕入れコストが高くなり、自家生産に踏み切ったのでしょう。coolaudioはbehringerの関連会社で、廃盤になったビンテージICのセカンドソースをつくっています。ICを製造するくらいだからさすがbehringher、気合いの入り方が違います。

オペアンプにはNJM2740 が2つと、ヘッドホンアンプにはNJM4556Aがつかわれているようです。

電解コンデンサがたくさんつかわれており、まるで古いラジオのようです。コストをかけて小型化はせず、コストと音質のバランスを保っているところがさすがです。ロングセラーなので設計が古いのもあるとおもいます。

入力レベルを調整できないのはちょっと残念ですが、iPhoneバスパワーのみで完璧に動作し、音質も充分よくて、それなりにコンパクトで取り扱いもしやすいです。ヘッドホン出力の音質はそれなりですが、必要充分といった感じです。モニタスイッチがついているのが地味に便利で、音を戻さないアプリでも音のモニタが可能です。出力やモニタが不要ならばLINE 2 USBというのもあります。こちらはさらにコンパクトで、私の用途ならこちらでもよかったかもしれないですが、ごくまれにヘッドホンをつなぎたいこともあるので、UCA202で正解でした。

試してはいないのですが、Optical OUTもあります。V2902にはOptical INがあるみたいなので、私としてはそちらがほしかったですねぇ。

サンプリングレートは44.1KHz, 48KHz 16Bitです。レコーディングにはちょっと足りない感じもしますが、動画の音声録音には充分ですし、ハイビットレートに対応していてもアプリが対応していないと無用の長物になってしまいます。

動画撮影では私は主にFilMIC Pro(Legacy)をつかっていますが、これはおすすめしません。レベルメータがついてて音量のモニタがやりやすいのが導入の理由だったんですが、アプリが高い割にマルチチャンネルオーディオIFには対応しておらず、UCA202を買うことになってしまいました。その上最近バージョンアップでほぼ無告知でサブスクに変更しました。こういうことをするアプリはかってはいけません。

フリーのレベルメータと、標準のカメラアプリで充分だとおもいます。

こういうシンプルなオーディオIFを買うことはないだろうなとおもっていましたが、iPhoneでこれが必要になるとは思ってませんでした。それくらいこれはベストマッチです。こういう枯れきったオーディオインターフェイスを作り続けてくれるのはなかなかありがたいですね。