まめものはてブ

三日坊主日記

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アナログ負荷メータ基板を作る

これまでブレッドボードで作っていたものを基板にすることにしました。

ブレッドボードでつくったもの

基板はユニバーサルボードとUEW線で配線します。プリント基板を中国で作ってもらう以外は、ユニバーサルボードで作ります。 思いついたときに思いつくままに回路を組めるので気に入っていますが、とにかく時間がかかります。でも5,6時間集中して続けるので上手く動いたときに充実感があります。

まずUSB端子をつける

USB端子は中華通販で買ったMicroUSB変換端子を使います。一つ50円程度なのでお手軽です。0.6mmスズメッキ線で足をはんだづけ、ユニバーサルボードにねじ込みさらに半田付けします。ピンヘッダを使うと堅くて長さを整えるのに苦労するので、ここはスズメッキ線です。やわらかいこともあって曲がってしまいましたが細かいことは気にしません。

コンデンサやLEDをつける。ICはボンドで貼り付け

コンデンサやLEDなどのスルーホール部品、ICなどの表面実装部品を貼り付けます。スルーホール部品は普通に半田付けですが、表面実装部品はボンドでくっつけます。今回は片面ユニバーサル基板なのでそのままボンドですが、両面の場合はカプトンテープで貼ってその上から貼っています。ボンドよりも瞬間接着剤のほうがすぐにはりついてガッチリ固定できますが、位置の微調整ができないのと、はんだごてや洗浄剤で白化してしまいます。ボンド(コニシボンド SU多用途)の場合は位置の微調整ができたり白化しないですが、固まるまでには時間がかかり、それまではぶよぶよと動いてしまいます。どちらも一長一短です。今回はSU多用途を使いました。

まずはUARTチップの配線

まずはUARTチップへの配線を行います。0.2mmのUEW線(ポリウレタン銅線)を使って配線していきます。UEW線はいわゆるエナメル線の現代版のもので、表面がポリウレタンで覆われている被覆電線です。被覆があるので線が接触してもショートはしませんので、やり方によっては高密度な配線が可能です。切り端にハンダを盛ったはんだごてを数秒押し当てると、被服が溶けていって予備ハンダができます。UEW線は予備ハンダが極めて大事です。直接半田付けしようとすると一見付いたようでも導通してなかったり、うまくつかないことが多々あります。確実につけるなら、多少面倒でも予備ハンダをして被服を溶かしておくことが重要です。なお、予備ハンダ時は充分にフラックスが効いていないといい感じに被覆がとけてくれません。

UARTチップの配線ができた

USB-UARTチップには WCH CH340Eを使用します。一つ70円ととてもリーズナブルですが、しっかり使えます。 しかしMSOP10というピッチ0.5mmの極小なので、実体顕微鏡ととても細いコテ先を使わないとすぐにブリッジしてとても苦労します。しかしそれらが揃っていればそこまで大変ではありません。

こんな感じで半田付け

今回はコンデンサもボンドでくっつけました。ここはぶにぶに動いてなかなか大変でした。瞬間接着剤にするべきでしたね。 UEW線と基板はマスキングテープで仮止めしながら作業を進めていきます。

完成

その他の部品や配線をしてようやく完成です。すこし距離のある配線のほうがどこをどう通さないといけないとか考えないといけないので、実は面倒だったりします。線を固定している茶色いものは ハックルー です。まるではんだのように扱える接着剤です。コテ先のはんだをよく落とし、これを付けてホットボンドのように使えます。とても便利ですが万能ではなく、あまりいいにおいはしませんですし、顕微鏡でみるとハンダの粒がはいってしまいますし、IPAで洗浄するとくすんでいって溶けてしまいます。そしてはんだ付け時のUEW線の仮固定には使えません。熱で溶けてしまうので。 ただ、それ以外の仮止めや熱を加えない場所の最終的な固定にはパパッと使えるので便利です。 配線固定にはUVレジンも便利ですね。こちらはIPAにも熱にも強いですしハックルーよりも硬いです。でも修正の難易度はハックルーよりも高そうです。

裏面

配線は0.6mmスズメッキ線も併用します。スズメッキ線にはもちろん絶縁はないのですが、UEW線とは違い被服溶かしも不要で、ハンダののりがいいので扱い易いです。太いので電源ラインによく使います。ごく一部0.3mmスズメッキ線も使っています。このへんはうまく使い分けるのが大事ですね。

いい感じ

さて、プログラムを調整し、アップロードして動作を確認したところいい感じに動作するようになりました。LEDを2つつけました。一定期間データがこなかったら消灯、20%以下ならグリーン、20%以上60%未満ならレッド、60%以上なら両方が点灯するようにして、ちょっと目を離しても挙動がわかりやすいようにしました。

今回作成したプログラムと回路図はこちら

MOTU 828mk2のLCDバックライト修理

前回: MOTU 828mk2のフタをあける

さて、LCDバックライトの壊れたMOTU 828mk2を修理していこうとおもう。元の状態はこんな感じ。

暗い・・・

バラしていくわけだが、部分部分にコツが必要な箇所がある。詳しくはこちらのサイトにおいてあるワードファイルが非常に参考になる。 フタをあけたらまずメインボードを外すのだが、難しいところとしては、電源部分のアースのネジ。ドライバーがコネクタと干渉して、ナナメにしないとはずれない。私のものは恐らく初期リビジョンで、後期リビジョンだと改善されているようだ。次にOUTPUTドータボードの下のネジ、ここはドータボードの穴からドライバをいれて外す。メインボードを外すまでは無理にドータボードを外さないほうがよい。次にフロントパネル。ここが若干難易度高め。各ボリュームの頭を外し、キャノンコネクタのネジを外し、そしてPHONES横のフロントパネルのネジを、ドライバをナナメにして慎重に外す。こうしないとフロントパネルは外れない。

ようやく外れた

文字の印刷してある黒のプラスチックシートははさんであるだけなので、慎重に引っ張り上げれば取れる。これでお目当てのLCDバックライトに巡り会える。

こんにちは

おなじみの74HCT595さんがお出迎え。PHILIPS製だ。その横にあるのがLEDアセンブリ。これを半田吸い取り線で吸い取って外すのだが、押しても引いても一向に外れない。きちんとハンダは吸い取れているし、なぜはずれないんだ・・・。ミラーシート(?)を浮かせてマスキングテープで仮押さえして構造を確認しながら、押したり引いたりを繰り返す。ヒートガンで暖めてみたり、あれこれしたけどビクともしない。

なんではずれないんだ・・

先ほどのサイトなどの説明では、ここで苦戦するという記述はない。リビジョンによって接着剤で固定されているのか、はたまたなんらかの理由で固着しているのかは謎だ。どうしようもないので力ずくで引っ張ってみると・・・

あーあ

見事に真っ二つに・・・さらに外れなかった部分をさらに力をこめて引っ張ったら、勢いあまって595も傷つけてしまった・・・ぐぬぬ・・。

仕方ない、プランBでいこう。元々はこのバックライトアセンブリの面実装LEDを入れ替えるつもりだったが、ここは砲弾型LEDが搭載できる機構もついている。ウェブで公開されている修理方法も、それがスタンダードなようだ。

プランBだ

今回は3mmの白色LEDを選んだ。秋月電子で売っている。なぜ白色LEDを選んだかというと、この改造を行っている多くの人は、青や白などVfが高いLEDを選んでいる人が多い。緑色の面実装モジュールに抵抗がはいっていることから考えると、実際に計測したわけではないが、おそらく供給されている電圧が赤や緑向けよりも高めなのだろう。このLED部分はどうもメインボードに直結されているようだ。

アノードとカソードを間違えないように

3mm砲弾型LEDだといい感じにピッタリの大きさだった。どうもここは3mm砲弾型LEDでもちょうど対応できるような構造になっているみたい。5mmだとかなりはみだしてしまうため595との干渉に注意が必要になる。例のワードファイルにもあるとおり、アノードはプラス側でLEDの内部の金属の小さい側、カソードがマイナス側でLED内部の金属の大きい側になる。基板にはわかりやすく、A K とある。つまりLED内部の金属部分が小さい側が上になる。

裏側から半田付け

そして正面からマスキングテープで仮止めして、裏側から半田付けを行う。ここでふと気がついたのだが、上のネジがすでにナメナメの状態になっている。反対側はコネクタとピンの数もあっていないし、さらにネジでコネクタが派手に浮いている。誰かが改造したのか、それとももともとこの設計だったのか、初期リビジョンだからそういうこともあるのかもしれないけど、ネジがナメナメになっているのは非常にきにかかる。誰かが改造したのかなぁ。実はこのネジを外そうと私もさらにナメてしまったのはナイショ。

さて、コネクタをもどしてLED部分の動作チェックを行う。電源ON

よっしゃあああ!

よし!とてもいい感じに点灯した!大丈夫なようだ。組み直そう。

完璧じゃね?

素晴らしい!見える・・見えるぞ!液晶がよく見える!無事修理完了!

ちょっと光が漏れるかな

レベルメータ側に少し光が漏れるけど許容範囲かな。これを改善するにはLEDを黒いシートで覆うなどする必要がありそう。 さて、一番治したかった部分が治ったので、今回修理は大成功。次はちょっと気になるコンデンサーの入れ替えに挑戦したい。

MOTU 828mk2のフタをあける

前回までのあらすじ MOTU 828mk2を買いました - まめものはてブ

インチの六角レンチが届いたので、828mk2のフタを開けることにした。そう。828mk2の耳はインチの六角レンチがないと外れない。

インチ〜

サイズは 7/64 がぴったり合った。

前面LCDのバックライトLEDを確認したかったけど、ここはメインボードを外さないと外れないみたいなのでとりあえず今回はパス。コンデンサが漏れてないかだけ目視で確認した。 特に漏れている様子はないが、若干膨らんでいるようなきがしなくもない。交換するのがベターかもしれないな。とりあえず部品だけ調達して、どうするかは考えておこう。

だいたい2.5cmくらいかな〜

この4700uF 耐圧10Vのコンデンサーはおそらくアナログオーディオ用の2電源レール。電圧は+-10.2Vなんだそうだ。普通定格の80%くらいで使うべきらしいんだが、定格越えのギリギリアウトの設計になっているみたい。隣のでかいのは15000uF 10Vで、デジタル向けのデカップリングのようだ。こちらが潰れると起動しないなど、動作がが極めて不安定になるそうだ。まだ大丈夫そうにみえる。

でかい容量・でかい耐圧の電解コンデンサはでかい。1Uラックマウントには厳しい。なのでこういうチョイスになったのかもしれないですが、定格越えかぁ・・。

CodecはAKM

DAC/ADCにはAKM AK4528VF、オペアンプはNJM4580, BB OPA2134UAなど定番が使われている。

眺めているとハンダがキラキラしていることに気付く。これはおそらく有鉛ハンダが使われている。RoHS施行が2006年らしいので、それ以前のものであることはまちがいないようだ。シルクやラベルには2003とあるから、やっぱくれくらいの時期の製造なのかもしれない。

なぜかコネクタが一カ所無理矢理刺さっているところがあるが、これは設計ミスだろうか、誰かがバラしてネジなくしたのだろうか。ちょっときになる。

とりあえず刺さってる

828mk2の分解レポートはこちらのサイトに非常に詳しく掲載されている。

#59 MOTU 828 mk2 teardown

また、LEDの問題は、こちらのサイトに詳しい修理方法がある。

How to fix the display backlight of the MOTU 828 mkII

「1.4Vに5.6Ωの抵抗がはいっとる。LED 1つに250mAも流してるから焼けたんや。」とある。この抵抗は変えないとやばそうだな。手持ちの面実装LEDで1.4V+100Ωでどれくらい光るか確認しておこう。 とおもってためしたのですが、順方向1.4Vだと赤色LEDでもまともに点灯ませんでした。

同ブログのコメントをみると、「1.4Vは壊れたLEDを外さず計測したのでは?」とコメントがありました。電流制限抵抗は別のところにあるため、砲弾型LEDへの入れ替えが多くの人で成功するようです。とりあえずそのまま入れ替えでOKっぽいですね。

ADAT入力用のTOSLINKケーブルも買ったので、そちらもつなげて出力を確認してみた。ここで一つ残念ポイントを発見。Mix Busはステレオ4系統あるのだが、合計8chまでしかルーティングできないので、ADAT Inputに8ch使うとOutputができない。ただ、ヘッドホンアウトは別にアサインできるみたいなので、それだけは使える。まあ、出力はそれほど必要ではなかったし、ADAT入力信号があるとそちらにクロック同期できるので、利便性があがるのでよしとしよう。PCにつないだらアサインできるかもしれないけど、そのへんはよくわからない。

いまのようにテーブルの上に置くと、非常に操作しにくい。まあラックマウント前提だからねぇ。

次は本丸のLEDだなぁ。どうしようかなぁ。

seeed studio XIAO ESP32-C3 を ArduinoCLIでLチカ

seeed studio XIAO ESP32-C3

seed studio XIAO ESP32-C3をArduinoCLIでLチカしてみました。ESP32-C3はESP-WROOM-02の後継のESP32-C3-WROOM-02に近い構成のモジュールです。 USB-C端子を内蔵していて、簡単に利用することができます。ESP32-C3-WROOM-02を試そうとおもったのですが、半田付けがめんどくさいのでとりあえずこちらを試してみることにしましたが、 結局ESP32-C3-WROOM-02も試さないといけないので、買う必要なかったかも。 しかし、こちらは一つ1000円ほどでUSB-Cをつなぐだけで利用できるので、ラクチンかもしれません。

ESP32-C3はRISC-Vコアを搭載し、USB-Serialも内蔵しており、ESP32-C3-WROOM-02だと310円程度で購入できます。ピン数はESP32より少ないですが、USB-Serial内蔵なのは非常に大きいです。

ひとまずはプログラミング環境の動作確認ということで、ArduinoCLIでLチカを行いました。Makefileなどはこちらにおいてあります。

MOTU 828mk2を買いました

買ってしまいました。MOTU 828mk2。

 

今晩はもつ鍋にしたい

2000年台の多くのDTMerが使ってきた、現在もシリーズが続いている名機であります。もう20年近く前のオーディオインターフェースです。PCとはFireWire接続です。ジャンク品です。すでにFireWireはうちのMacにないので、たとえ動いたとしても接続できません。じゃあなぜ買ったのか。そう、ライン入力を増やすためにADAT OpticalでRME FireFace UCに接続するのが目的なのです。

最近シンセ群が増えまくってます。しかも全部を同期させて演奏する楽しみを知ってしまいました。ミキサーを設置するスペースはないので、全部FireFace UCに接続していますが、設置場所の関係から長いケーブルがたくさん必要になります。なのでシンセに近いところに別のDA/ADを設置して、ADAT Opticalで接続したかったのです。これで接続すると48kHz 8chの転送ができます。828mk2の強みとしてスタンドアローン動作が可能です。内部には4x2chのDSPミキサーを内蔵していて、これを使ってPCレスでルーティングできます。

ADAT Optical に特化した現行の8chデジタルマイクプリ(DA/AD)で、それなりに入手しやすいのは、Behringer ADA8200 34800円 Focusrite Scarlett OctoPre 49800円などがありますが、そこまで生活に余裕があるわけではないので、どれも、まあ、気軽に買えるってお値段ではないわけです。そこまでお金をかけるわけにはいかなかったので、いい感じの中古はないか探してましたら、828mk2が7000円程度でありましたので、ADAT IFとして使えそうなので買ってみました。

今回は中古ジャンク扱いでした。中古の実勢価格は2023年1月現在だいたい2000~1.5万円程度であるようです。外観はそこまで痛んでおらず、使いたいポート群もひとまず問題なさげ。しかし液晶のバックライトは異常に暗く、正面から光当てないとほぼ見えません。電源からも小さくチー音が聞こえます。しかしながら届いた状態で期待通りの動作をしてくれました。音もよく、ガリもなかったです。超お得ってほどではなかったけど、利用にクリティカルな部分が壊れていなかったので、悪い買い物ではないかもしれないですね。

液晶のバックライトは中のLEDが焼けているようで、この機種には良くあることのようです。電源からチー音がすることから、おそらくコンデンサもだいぶ容量抜けしていそうです。このへんの修理やってみようと考えています。しかし正面のネジがインチの六角レンチなので、それ新たに調達しなきゃいけなくなりました。

利用者も多く人気のある機種なので、すでにネット上には分解修理の情報もいろいろとありますが、フタを開けたらまた記事かきたいとおもいます。

 

 

 

AVR toolchain installerを更新しました

ブログ5日目です。いまのところ毎日更新していますが、息切れしそうですね。一度辞めるとずっと放置になりそうだし、モチベーション保っていくのは難しいなあ。

さて、今日はAVR toolchain installerを更新しました。

AVRを開発するとき、ATmel StudioやMicrochip Studioを使わず、Makefileとavrdudeを使いたいので、自前でtoolchainをインストールするツールを作っていました。 最近はArduino-CLIを使うことが多くなりましたが、小型のAVRを使う時にはまだまだ使います。

UPDIを使うtinyAVRシリーズやmegaAVRシリーズの利用がメインになり、また、最近avrdudeがSerialUPDI対応になったため、jtag2updiからの乗り換えも含め、インストーラをアップデートすることにしました。 SerialUPDIはCH340系のチップと数本のデバイスでプログラミングでき、かつ高速に書き込めます。

今回は ATmega4809(DIP), ATtiny1606, ATtiny202, Attiny412と、SerialUPDIでLチカすることを確認しました。

ATmega4809(DIP)への書き込みテスト

こちらはATmega4809ですが、このサイズのAVRならArduinoでプログラミングしたほうが使いやすいです。ちなみに素のmegaAVRを使う場合は、MegaCoreX、tinyAVRを使う時はMegaTinyCoreを使います。私の場合、ATmega4809, ATtiny1606を使うときはこれらのライブラリをArduinoで使うことが多いです。

プログラマの回路図とサンプルコードをこちらにおきました。

SerialUPDI 5V

そのうち詳しい利用方法をまとめたいとおもっています。

ライブパフォーマンスをラインでスマホで録画するときにおすすめ behringer UCA202

ライン入力によるライブ録音など、iPhoneで動画を撮影時に高音質で撮りたい場合があるとおもいます。その場合は外付けのオーディオインターフェイスを使う必要があるのですが、実は罠があります。iOS対応のオーディオインターフェイスでも、実はアプリ側が対応していないとうまく使えないことが多いんです。たとえば、ZOOM U-44はiOSへの対応を謳ったとてもよいオーディオインターフェイスなのですが、残念ながらこれだと動画アプリではうまく録音できません。多くの動画アプリが2chを想定していて、マルチチャンネルのオーディオインターフェイスだとうまくいかないのです。

ずっとiOSへの入出力にはSteinberg UR22mk2をつかっていましたが、これはiPhoneだと外部電源が必要で、かつ結構大きい。そこで、安価でシンプルでそれなりに音のよい、iPhoneからのバスパワーで動作するライン入力のみのオーディオインターフェイスを探していました。そこで入手したのが behringer UCA202 です。古くからある格安のオーディオインターフェイスです。soundhouseで4480円。これに Linghtning -USBカメラアダプタ を付けることで、iPhoneからのバスパワー供給のオーディオインターフェイスになります。私の使っているLightning - USBカメラアダプタの純正品はクッソ高いのですが、安価な互換品はAmazonにたくさんあるかとおもいます。

behringer UCA202

外観はこんな感じで、本体はプラスチック。デザインは古臭く質感もチープです。まあ安いから仕方ないですね。「安っぽいんじゃない、安いんや。」値段が安くて音が良くて扱い安ければ良いんです。

内部の様子はこんな感じになっています。

内部の様子

V2902

裏面

Audio Codecにはcoolaudio V2902が使われています。初期のUCA202では Texas Instruments PCM2902E がつかわれていたみたいです。PCM2902E自体はまだ生産しているようですが、新規設計非推奨になっています。半導体メーカは廃盤にしたいICを値上げしたりするので、恐らく仕入れコストが高くなり、自家生産に踏み切ったのでしょう。coolaudioはbehringerの関連会社で、廃盤になったビンテージICのセカンドソースをつくっています。ICを製造するくらいだからさすがbehringher、気合いの入り方が違います。

オペアンプにはNJM2740 が2つと、ヘッドホンアンプにはNJM4556Aがつかわれているようです。

電解コンデンサがたくさんつかわれており、まるで古いラジオのようです。コストをかけて小型化はせず、コストと音質のバランスを保っているところがさすがです。ロングセラーなので設計が古いのもあるとおもいます。

入力レベルを調整できないのはちょっと残念ですが、iPhoneバスパワーのみで完璧に動作し、音質も充分よくて、それなりにコンパクトで取り扱いもしやすいです。ヘッドホン出力の音質はそれなりですが、必要充分といった感じです。モニタスイッチがついているのが地味に便利で、音を戻さないアプリでも音のモニタが可能です。出力やモニタが不要ならばLINE 2 USBというのもあります。こちらはさらにコンパクトで、私の用途ならこちらでもよかったかもしれないですが、ごくまれにヘッドホンをつなぎたいこともあるので、UCA202で正解でした。

試してはいないのですが、Optical OUTもあります。V2902にはOptical INがあるみたいなので、私としてはそちらがほしかったですねぇ。

サンプリングレートは44.1KHz, 48KHz 16Bitです。レコーディングにはちょっと足りない感じもしますが、動画の音声録音には充分ですし、ハイビットレートに対応していてもアプリが対応していないと無用の長物になってしまいます。

動画撮影では私は主にFilMIC Pro(Legacy)をつかっていますが、これはおすすめしません。レベルメータがついてて音量のモニタがやりやすいのが導入の理由だったんですが、アプリが高い割にマルチチャンネルオーディオIFには対応しておらず、UCA202を買うことになってしまいました。その上最近バージョンアップでほぼ無告知でサブスクに変更しました。こういうことをするアプリはかってはいけません。

フリーのレベルメータと、標準のカメラアプリで充分だとおもいます。

こういうシンプルなオーディオIFを買うことはないだろうなとおもっていましたが、iPhoneでこれが必要になるとは思ってませんでした。それくらいこれはベストマッチです。こういう枯れきったオーディオインターフェイスを作り続けてくれるのはなかなかありがたいですね。